人の感情を認識するAI [Affdex]

「感情認識AI」

人の感情を認識するAI [Affdex]が誕生している。

https://affectiva.jp/



サービス概要

「Affdex」とは、既存のウェブカメラを使って、リアルタイムにターゲット(※消費者など)の顔の筋肉の僅かな動きをキャッチし、感情をデータ化・分析する感情認識AIサービス。


感情認識AI「Affdex」は、FACS(顔面動作符号化システム)のアルゴリズムを採用。

※FACS(Facial Action Coding System)は、視認可能な顔の動きを包括的に測定するためにPaul Ekman、Wallace Friesenらによって1978年に開発された分析ツール・表情理論。

FACS理論によって、顔のあらゆる動きが計測でき、客観的なデータとして顔の動きを表示できる。(Apple,Disneyなど数多くの企業でも使用されている。)


2002年の改訂版FACSでは、41の顔の基本動作が定義された。基本動作は、顔の解剖学的な知見をもとに32のAction Unit(AU)と9つのAction Descriptor(AD)に分類されている。

・AU→個々の筋肉または筋肉グループの基本的なアクション

・AD→いくつかの筋肉グループの動作(たとえば、顎の前方に突き出す動作)

これらの基本動作の組み合わせによって様々な顔の動きがコード化される。


■背景

-業界背景-

近年、ユーザーに対して感情認識・分析したデータをユーザーにそのままFBしたり、

得られたデータをビジネスに活用しようという動きがちらほらとある。

既にモバイルアプリケーションやゲーム・ロボットといった製品をはじめ、広告・教育・ヘルスケア業界など、マーケティング・リサーチへも技術の導入が進んでいる。

(ex.広告業界では、どのような内容が視聴者の感情的反応の最も強い要因となり、どの感情が口コミで広がる広告になるかを分析)

音声・映像認識に続き、人間の感情認識の分野においてもその性能は十分に実用に耐えるレベルにまで向上している。


-企業背景-

CEO兼 共同創立者である、Rana el Kaliouby(ラナ・エル・カリウビィ)より。


「感情は、私たちの生活のあらゆる面で重要な役割を担っている一方、テクノロジーにより今もなお成長するデジタルの世界では、感情はあまり重要視されていません。

私たちは、一企業として、心を持つ人工知能をデジタルの世界に実現することを目標としています。感情をデジタル化することができれば、すべてのテクノロジーは心を持つことができ、私たちの人生はより豊かなものへと発展すると信じています。MITメディアラボからスピンアウトした、私たちAffectivaはテクノロジーに感情を持たせることに尽力してきました。ターゲットがどのようにデジタルコンテンツと関わり合いを持っているかについて理解する、という初歩的な研究から始まったこのプロジェクトは大きく成長し、今やユーザーがそれぞれ自らのコンテンツに感情センサーや分析テクノロジーを付与することをも可能にすることができました。」


このような思いから始まったAffectivaの感情分析AIサービスは、今ではゲーム、自動車、ロボット工学、教育、ヘルスケア、体験型マーケティング、小売、人材、ビデオコミュニケーションなどで使用されている。そして、日本ではそこまで認知されていないものの、アメリカでは、感情認識AIのリーディングカンパニーとして知られている。



新規性

■感情分析AIを企業に導入する

→感情分析機能を実現する技術の詳しい仕組みを理解していなくても、技術を搭載したいアプリケーションに新機能を実装できるAffectivaのソフトウェア開発キット(SDK)を通じて、開発者はAffectivaテクノロジーをさまざまなアプリケーションに統合可能。


■利便性(メジャーな機器に対応+オフライン対応)

→Windows、iOS、Android、Linuxといったほぼすべてのメジャーなプラットフォームに対 応している。スマートフォンアプリなどでは、ネット接続のないローカル環境での動作も可能である。


■プライバシー問題の解決

→顔の表情や声の表情に関連するデータが作成および保存されるが、そのようなデータは、被験者を特定できる個人情報から分離された形で保存。


Good point

企業が導入しやすい形で感情分析AIを提供し、様々な分野・業界に普及させることで、Affectivaという企業が目指す、「心を持つ人工知能をデジタルの世界に実現すること」を体現していること。


実際にAffdexが使われた事例

①ドライバー監視システム向けのAffectiva Automotive AI


【問題】

毎日、米国だけで1,000人以上の負傷者と注意散漫な運転による9人の死者が出ている。


【解決方法】

ドライバーの状態監視し、顔と声の両方を分析して、ドライバーの身体的・精神的な注意散漫、眠気などを分析し、リアルタイムでドライバーに警告。

(エアコンの温度を下げる、オーディオ音量が上がる、エージェントが会話を始めるetc)


さらに、自動運転の設計の際に「ドライバーの心理的・身体的状態」から、どのような事故が起きやすいのかをAIに学習させ、事故予防に努めるアプローチも取っている。



https://www.affectiva.com/product/affectiva-automotive-ai-for-driver-monitoring-solutions/




②JISA中学校デジタル化プロジェクトでの感情認識AI活用


【問題】

まず「探究」という授業が、その独自性ゆえに評価方法に問題があった。

「探究」は、あるテーマを生徒に与えて、デザイン思考を使いながら解決していくため、定量的・定性的な評価が非常に難しい。また、「探究」は長い時間をかけて実施するため、一連の探究の授業の中での現在の達成状況や進捗状況を測る方法がない。


「探究」の授業を糸口に、さらなる教育の高度化にチャレンジするため、最新のIT技術を活用して、データの取得や分析にも取り組む必要があった。


生徒のプレゼンテーション能力の向上や、プレゼンテーション能力に必要な要素の分析にITを活用すれば、教育の高度化に貢献可能。

この目的に活用できると考えた最新IT技術が、感情認識AI。


【解決方法】

プレゼンテーション動画から読み取った生徒の表情をAffdexでデータ化し、グラフを解釈することでプレゼンテーションの評価・分析を行なう。

この分析結果を、普段から生徒を見ている青翔開智の先生方にフィードバックした結果、分析に対して納得感があるという評価を得た。



https://affectiva.jp/case/digitalization_project.html

https://www.cac.co.jp/trends/trend05.html


筆者コメント

感情分析は大きな広がりを見せていることは間違いなく、転用分野・業界も幅広い。

感情分析を行った結果、何かの対象の改善につながったという実績・事例が確からしく、増えてくれば来るほどトレンドになることが予想される。

その感情分析をする際の、人の顔を分析する技術の精度が良好な事例を生むために重要と考えている。

その技術の精度の土台があって初めて、様々な分野に適用できるからだ。

そして、技術の精度自体に大きく差が出るのは、2つの要素であると考えている。

1つ目は、AI自体のアルゴリズム、理論。

2つ目は、AIに学習させる様々なデータ。

1つ目に関しては、今現在いくつかのアルゴリズムがあり、その理論の確からしさを高めるには技術者の手腕にかかっている。

2つ目に関しては、データを集めるためには、ユーザーに使ってもらう必要がある。

ただ、顔を分析することにおいては、ユーザーの心理的観点、個人情報保護観点(プライバシー)の両面の問題があり、ここをクリアにする必要があるという課題がある。

簡単ではないが、この課題を解決する手法に各社の色が出るのはもちろん、2つ目の課題解決の手法の違いが、結果としてユーザー数(データ量)の取得量にも関わることは間違いないだろう。

精度を高める2つのことを、クリアにした開発企業が様々な分野に進出可能になり、勝ち馬となるだろう。開発をせずに技術を導入する側の企業としては、どのAIが優秀かを選ぶ審美眼に加えて、何のために感情分析をするのか、実際に感情分析をする際にプライバシー観点の問題をどう乗り越えるかを考えてサービスを構想する力が求められる。





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