「GAFAの不動産テック版ZORC」-Compass編

不動産の新しい方向を示す、ユニコーン

#不動産

#DX


https://agents.compass.com/


今回、サービスデザイナーの佐々木が紹介するのは不動産テックのCompass!

5連載目となるZORC記事もついに終わり。最後の事例集をぜひご覧くださいませ。


飛ぶ鳥を落とす勢い!?COMPASSの企業概要

そもそも、ZORCというのは、近年台頭したアメリカの不動産テックの

「Zillow」「Opendoor」「Redfin」「Compass」

巨大企業4社を指す。

この4社は、米国の住居の売買を事業の中心とし、不動産業界に新しい風を吹かせている企業群である。


その中でも、「Compass」は、シアトルにて2012年に設立した企業で、設立以来飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長している企業である。


そんな同社は、同社は不動産エージェントの生産性向上を支援するソフトウェアを開発し、質の高い自社所属エージェントを増加させることで成長している「不動産仲介会社」である。

同社のサービスは、物件をWeb上で紹介するところから、物件の清掃を依頼するところまで不動産取引に関わる諸手続きをオンラインで簡潔に行える。エージェントは、煩雑な手続きから解放され、物件の買い手・売り手との対話やニーズの聞き取りに集中できるようになる。


〇ビジョナリー型の資金調達が支えとなるビジネスモデル

前提としてエージェントは法律上、必ずどこかの仲介会社に所属する必要がある。

そこでCompassは、不動産販売を担当するエージェントの生産性向上を支援するソフトウェアを提供し、不動産仲介業者としてエージェントが成約させた金額からマージンを取らないビジネスモデルをとることでエージェントを獲得している。

取引総額・エージェント数は大きく増加する一方で、オフィスやシステム開発、マーケティング、移籍金など多額の投資をしているので、それをどのように回収するかが課題となっている。

現状の資金は、Softbank Vision Fundをはじめとするベンチャーキャピタルから、多額の資金調達を受けることにより、資金繰りを行っている。



▼米国不動産テック 注目7社のビジネスモデル図解

https://medium.com/@coichikawa/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%B3%A8%E7%9B%AE7%E7%A4%BE%E3%81%AE%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E5%9B%B3%E8%A7%A3-60828887b890



■背景

-業界背景-

前提として、アメリカでは不動産売買において仲介手数料を払うのは買い手・売り手のうち、売り手のみである。加えて、基本的に売り手・買い手エージェントをつけることが慣習としてある。


それ故にアメリカでは、不動産取引においてエージェントの力が強く、顧客接点を持っている。

ただ、インターネットの普及前は情報の非対称性もあり、下図の手数料が普及していたが、情報がノウハウがオープン化していくことで、


・「売り手」からすると「エージェント」は5-6%の手数料の価値の働きをしているのか?

・「エージェント」に対して、「仲介会社」は15%分の価値を提供できているのか?


という疑問が多く上がっていた。

この2重の仲介構造に対しては、現在多くのスタートアップが業務効率化をし価格を安くすることで、挑んでいる。


特に、仲介会社(Brokerage)の領域で手数料を下げることで急拡大しているのが、eXpとCompassである。そんなCompassの企業背景を見ていく。



ソフトバンクが450億円を投資。業界に改革を起こす不動産テック企業Compass (コンパス) とは

https://contech.jp/compass/



-企業背景-

住宅購入は、市場動向やローン金利など、購入に際して検討すべき事項は多く、また、買い手・売り手に加えて不動産管理会社や仲介業者の存在といった取引の複雑さもある。

その背景がありつつ、戦術の通り、仲介部分の効率化が進んでいない。

不動産業界は全世界で実に217兆ドル相当の資産があると試算されるが、その取引のプロセスは属人的で、テクノロジーを使った生産性向上の取り組みが進んでいなかった。


この分野に情報技術の力を使って変革をもたらそうとするのが、2012年にニューヨークで創業されたCompassである。

スタートアップをツイッターとグーグルに売却経験のある起業家「Ori Allon」と

マッキンゼー最年少アナリスト、ゴールドマンサックスCOO、ホワイトハウスを経た「Robert Reffkin」によって設立された。

家探しをしている人なら誰でも共感できるという前提に基づいて設立されている。


彼らの経歴と、事業領域からSoftbank VisionやGoldman Sachsをはじめとした企業から、本日までで合計15億ドル以上を調達している。


そんなCompassは、業界背景で記載した仲介会社の手数料の引き下げ及び、不動産営業員の生産性向上を行うために、不動産業者向けに独自のモバイルアプリを構築した。

一方で、収益化が不透明のため市場から疑問の声も上がっている。



■新規性


■優秀なエージェントへの圧倒的好待遇

⇒・自社開発した最新の業務支援システム(CRM)を提供

 ・Compass加入時の移籍金を用意(仲介会社から引き抜き)

 ・加入エージェントへストックオプションを付与

 ・主要都市にエージェントが利用可能な豪華なオフィスを出店

 ・成約時の仲介手数料がエージェントへ、Compassへのマージンなしで支払われる



■エージェントの取引履歴や評価などを公開

→顧客が、信頼のおける仲介業者を選択できる。

 エージェント視点においても、顧客受けしやすい綺麗な紹介ページを簡単に作れる機能があり、顧客へのアピールできるメリットがある。



■売却中物件の告知看板をデジタル化

→ビーコンが埋め込まれており、Compassアプリユーザーが通りかかればプッシュ通知がされ、物件ページが表示される。アプリユーザーでない場合も、QRコード読み取りで物件にアクセスが可能。(3時間の充電で3週間稼働、エージェント向けに1,000$で販売)





◎Good point

◎高待遇でトップエージェントを引き抜くことで、質の高いエージェントを囲っている点


◎仲介会社手数料の領域で価格破壊を起こした点


◎エージェント業務を効率化することにより、買い手・売り手との重要な会話により時間を割けられるようになった点。




■Compassの事例

①買い手にとっての、不動産売買、賃貸プロセスの満足度を向上

【従来の問題】

・購入、賃貸したい物件があってもスムーズに連絡が取れない

・購入、賃貸したい物件があっても担当するエージェントが信頼できるか不明


【Compassでの解決方法】

地図上で、購入・賃貸を検討したい物件を選択したのちに、担当エージェントを選ぶことを可能に。さらに、物件担当者が複数いた場合に、買い手ユーザーは、エージェントの評価を見て、選択することができる。


▼実際のCompassのUI

https://www.compass.com/listing/317-3rd-street-unit-1b-brooklyn-ny-11215/614323289554779825/


②エージェント向けCompassのCRM

【従来の問題】

・不動産取引にかかわるエージェント活動が属人化されていたりオフラインで行っていた

・エージェントは顧客をオンラインで獲得する業務に苦戦


【Compassでの解決方法】

エージェントが顧客と良質な関係を育み、より多くの売上を達成できる、人工知能を活用した顧客管理プラットフォームを提供。

・数回クリックするだけで美しいチラシを簡単にカスタマイズ可能にしたり、

 DMやEメールを自動生成する機能を搭載。

・顧客の要望を満たす家を写真とリスト情報が視認できる状態で保存可能

・SNSやデジタル広告のパフォーマンスなどの情報を可視化














▼Compass「Our Technology」

https://agents.compass.com/technology/#:~:text=Compass%20CRM%20is%20a%20customer,insights%20powered%20by%20artificial%20intelligence.



筆者コメント

本記事を持って、ZORC全ての記事を執筆。

Compassは、優良なエージェントを獲得することにより、不動産売買するエンドユーザーの顧客体験も向上するというアプローチを取っている。しかし、基本的には高級不動産に絞り、他社エージェントを破格の待遇で他社から引き抜く様は、同社の掲げるビジョン「誰もが世界で自分の場所を見つけるのを助ける」とは今現在、遠いように思える。

同社のビジネスモデルは収益化はできていないことから、多額の資金調達により成り立っていることもあり、今後どのように事業を行っていくのか非常に注目している。




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