「GAFAの不動産テック版ZORC」-Redfin編

更新日:4月29日

不動産の新しい方向を示す、ユニコーン

#不動産

#DX


https://www.redfin.com/


今回、サービスデザイナーの佐々木が紹介するのは不動産テックのRedfin!

ついに、ZORC特集も後半戦になってきました。

あなたの中で、ZORCのどの企業が一番好きかという視点でこれからの記事をご覧になってみるのもおもしろいかもしれません。

ちなみにそんな私がZORCの中で最も好きな企業Redfinについて、紹介していきます!


顧客に実直に向き合うRedfinの企業概要

そもそも、ZORCというのは、近年台頭したアメリカの不動産テックの

「Zillow」「Opendoor」「Redfin」「Compass」

巨大企業4社を指す。

この4社は、米国の住居の売買を事業の中心とし、不動産業界に新しい風を吹かせている企業群である。


その中でも、「Redfin」は、シアトルにて2004年に設立した企業で、2017年にNASDAQに上場。


そんな同社は、住宅の物件情報を掲載して、Webやアプリ経由で住宅の購入や売却検討がしたいユーザをを自社が抱えるRedfinエージェントに繋ぎ、売買契約に繋げる事業をしている。



〇不動産の買い手に親身に寄り添うビジネスモデル

Reffinは、

「不動産情報サイトの運営による広告収入」

「自社で不動産売買を行うことによる仲介手数料」

の2つにより、収益を得ている。


ビジネスモデルの流れとしては、

①ユーザーはRedFin上の物件情報を閲覧し、興味があれば問い合わせ

②問い合わせたユーザーは見込客として自社の社員エージェントに見込客として紹介される

③成約した場合、相場より安い仲介手数料がRedFinに支払われる


※Multiple Listing Service

不動産の売り情報をリスト化・共有化して取引を支援する仕組み(日本でいうREINSに近い)



■背景

-業界背景-

不動産業界は、一般的に情報非対称性が大きい業界とされている。

というのも、一般の方にとって「住宅を買う」ということは人生に数回しか経験しないことが普通であることが一因としてあるためで。その背景があり、「買い手」が「売り手」よりも専門知識や、情報を持っていることは少なく、その差も大きいとされている。

そして、情報の非対称性がまだまだ大きいこの業界でユーザー視点に立脚した買い手のためのサービスが生まれるようになった。


-企業背景-

創設者は、

David Eraker(デビッドエラカー)、

Michael Dougherty(マイケルドハティ)、

David Selinger(デビッドセリンガー)

の3人である。


最初のアイデアは、シアトルで家を売買しようとしたErakerの経験から生まれたものであった。彼は、「不動産市場は、消費者の観点から見ると、技術的に最も未発達なものの1つであるように見えた」と2004年に話す。

Selingerは、「私がDavid ErakerとMichael DoughertyとのRedfinの話し合いに参加したとき、Redfinがどうなるのか私たちにはまったくわからなかった。ただ、チームのメンバーは、現在の不動産市場は、顧客ではなくエージェントの利益ニーズに応える背景があることを知っていた。

それを変えるために、データとテクノロジーを民主化することで競争が平等になると信じている。消費者に適切なサービスを提供することで、不動産業界を支配する強力な保守的な勢力によって停滞状態にある業界を混乱させることができる。そして、我々は一貫して '我々は消費者の側にいる'ことを消費者に証明することによって、長期的なビジネスを構築することができることを信じていた"」

と過去を振り返る話をしている。

そして、情報優位にある不動産業者やエージェントファーストな業界から「ユーザファースト」へ移行させることをミッションとし、思いを実現するWebベースの不動産マッピングシステムをローンチしたのである。

【Redfinのミッション】

“Our mission is to redefine real estate in the consumer’s favor”

⇒「私たちの使命は、消費者に有利なように不動産を再定義することです」



https://vator.tv/news/2018-08-03-when-redfin-was-young-the-early-years



■新規性


■テクノロジー+不動産相場のプロによる「精度の高い不動産価格の策定」

⇒AIを活用して不動産価格を査定したのちに、最終的には地域の情報を知るエージェントが推定価格を調整。同社のライバルの「Zillow」は、早く売りたい顧客ニーズをかなえるためにAIによるスピード査定を行っていることも相まって、相場よりも低い価格であることが多い。


■圧倒的な不動産物件情報の更新性

⇒MLS(Multiple Listing Service)とredfinサービスが常時接続され、MLSに物件が登録されると、即座に反映される。


■圧倒的な安さを実現するredfinの仲介手数料

⇒通常アメリカでは、通常住宅購入者=買い手は「買いエージェント」、

 住宅売却者=売り手は「売りエージェント」と契約。

 従来:買い手エージェント手数料3%、売り手エージェント手数料3%

 redfin:買い手エージェント手数料3%+半分を売主還元(売り手エージェント手数料1.5%)

業界慣習であったエージェント手数料の合計平均6%を

「自社でエージェントを抱えること」+「プロセスを細分化し専門化すること」により実現

(内見担当エージェントはひたすら内見を繰り返す)




◎Good point

◎情報の非対称性が大きく不利な「買い手」の状況を徹底した顧客目線で改革している点


◎広告掲載料に頼らない不動産売買における成約報酬性のビジネスモデルである点


◎内見予約がリアルタイムに可能な点



■Redfinが従来の問題を解決した事例

①内見をしたい物件に対してオンライン・オンライン問わずスムーズに内見予約できる

【従来の問題】

・内見をしたい物件があっても、担当者とスケジュールを組むのに時間がかかる

・内見をしたい物件があっても、時間的・場所的観点から、現地に行くことができない


【redfinでの解決方法】

内見が可能な物件に対して、エージェントが常時ツアーをできる状態を維持。

5分ごとに細心のスケジュールが更新され、自分の好きな日時、すきな状況(オンラインorオフライン)でツアーが可能。


https://www.redfin.com/why-buy



筆者コメント

RedfinはZORCの中で最も、買い手側の顧客目線に立ってサービスを出している点に賞賛を送りたい。

今まで売り手側の不動産プロセス改善により結果的に買い手にもベネフィットが得られる状態であった。しかし今回、純粋に買い手側の目線に立ったサービスを生み出すことにより、不動産業界では売り手の既得権益であった部分にメスを入れる形になり、これぞDisruptorの役割を果たした。特に、価格部分における破壊を起こしたため業界へのメッセージは大きいと考えている。

そして2019年7月、Redfinは前回の「GAFAの不動産テック版ZORC」-Opendoor編で説明したOpendoorと業務提携を果たした。これにより、Zillow vs Redfin & Opendoorの構図になり米国の不動産テックは市場競争が過熱している。

激しい競争を行うことにより、結果的に顧客体験も改善していくスパイラルに期待したい。



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